美容室の広告費戦略:現金フローで考える広告費の最適額

美容室経営において広告費に関する戦略は非常に重要で、無駄な広告費をかけすぎては経営を圧迫しますし、適切な広告費をかけなければ成長が鈍化したり、スタッフの離職につながったりと悪影響を及ぼします。今日は適切な広告費はどのくらいなのか?この答えになる一つの考え方をお伝えします


1.広告費の基本:売り上げの何%。ではない考え方。

売り上げの⚪︎⚪︎%を広告費に充てると考える方法が一般的ですが、もう一つ有効な考え方があります。

1回目のご来店で広告費が回収されていれば、いくらかけてもオッケー。
必要な新規人数分の広告費をかければいい。

これが今回の結論なのですが、順を追って解説していきます。

2. 手順①:新規の獲得単価はいくらか?

適切な広告費を算出する上でまず最初にする作業が、新規様1人獲得するのにいくらかかっているか。という金額を割り出す所殻始まります。

ホットペッパーや、SNS広告等複数の媒体に広告を出している場合は予約経路がわかるようにしておいて、別々に考える方がより明確になります。

仮にインスタ広告に10万円出していて20名の新規様がご来店してくださっていれば、10万÷20=5000
新規獲得単価は¥5000になります。

3.手順②:新規客単価と必要経費

次に確認するのが、新規顧客様の平均単価と、必要経費はいくらかという金額の算出です。

ここでの必要経費は、人件費と材料費です。歩合率でお給料が決まる場合は計算しやすいのですが、もし違う場合は平均の人件費比率で考えてもオッケーです。

数字が出たら、平均単価から必要経費を引いて1回目のご来店での粗利益を計算します。

仮に、客単価1万2000円 人件費5000円 材料費が1000円 という結果になったとしたら粗利益は6000円です。

4. 手順③:新規獲得単価は1回目ご来店時の粗利益を下回っているか

ここまできたら、現在の広告力の確認に進みます。新規獲得単価が1回目のご来店時の粗利益を下回っているかどうかが基準になります。先ほどの例で言うと、新規獲得単価は5000円、粗利益は6000円なので下回っており、この基準はクリアになります。この場合、いくら広告費をかけても大丈夫と言う判断になります。

もし粗利益より獲得単価が上回っている場合(例のパターンだと6000円より新規獲得単価が高い場合)は広告費を上げると言う判断ではなく、広告改善をして獲得単価を下げる事が先になりますのでこの場合は売上の⚪︎⚪︎%と言う考え方で進めて問題ありません。

5. 現金ベースで考える:なぜいくらかけても大丈夫なのか。

粗利を獲得単価が下回っている場合なぜいくらかけても大丈夫なのか。現金の入金と出金の流れを考えると答えが出ます。

美容室の場合はご来店時に現金、もしくはカードでいただき、ご来店直後に入金されるか、2週間以内くらいにカード会社から入金があるか。このような形になります。

もう一度例にあげているケースの数字を見てみましょう。

広告費→10万
新規人数→20名
新規客単価→12000円
必要経費→6000円
一人当たり粗利益→6000円
合計粗利益→12万円

12万円の入金は遅くともよく月の中頃までには完了され、広告費の支払いは翌月末になるので支払いに必要な10万円は、必ず口座に入っている状態になる。

この基準が守られていれば、2回目以降のご来店では確実に利益が積み上がっていくと言う計算になりますのでいくらかけても大丈夫と言う考え方に行き着くわけです。

6.最適な広告費は?

ここまでの計算ができ、基準をクリアしていれば、何人の新規様が必要かで最適広告費が決まります。

100名の新規様が必要であれば、獲得単価が5000円の場合。50万円
200名の新規様が必要であれば、100万円。


このような計算方法で算出します。

まとめ

いかがでしたか?広告費の最適解は売上の〇〇%という考え方だけでなく、今日紹介したような方法もあります。この計算でいけばホットペッパーに50万円かけるのは最善なのかどうかも判断できますし、自社の広告費をかけなさすぎているケースや、広告費を上げるよりも、まず広告改善が必要なケースなどの判断に使えますので、ぜひ一度皆さんのお店の数字を当てはめて計算してみてください。

タイトルタグ: 美容室のための広告費戦略と現金フロー管理 meta description: 美容室経営における広告費の考え方、初回来店での回収、現金フローの重要性、広告費用の効果的な割り当てとROI最大化の戦略を解説します。

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