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美容室経営 課題 2024年最新版|美容業界の本質的な問題とは?

美容室経営における本質的な課題、問題とは何か?表面的に見える課題を深掘りし、今後美容室の経営者(オーナー)として取り組まなくてはいけない事は何か?詳しく解説いたします。

表面的な課題

人口の減少と競合店の増加による客数の減少

まず、美容業界全体の表面的な課題として、人口減少しているにも関わらず、サロンの数は増加し続けているという美容業界特有の動向が挙げられます。この状況は業界にはあまりみられない特徴で非常に珍しい現象なのですが、この結果、業界は飽和状態にあり、基本的には1店舗あたりの客数が減少している状態です。

美容師不足

完全に人手不足の状態です。お客さまが来店されても、美容師さんがいなければ何もできません。多くのお店で離職が続き、次の求人に応募者が全くいないという厳しい状況です。また、この問題は人工の減少現象とも関連していて、総人口が減る、美容師になる割合が同じでも美容師人口は減っていくという計算になります。

利益構造の変化

第三の表面的な課題は利益構造の変化です。利益構造が変化している点には良い面と悪い面があります。

良い面としては、人件費の高騰。労務環境の整備が進み、基本給が上がって休日も取りやすくなった。さらに有給休暇も取りやすくなり、労働時間の適正化が進んでいることです。また、社会保険を提供している会社が増えています。

このように、20年前と比べると、働く時間や基本給が改善され1.5倍に、労働時間は3分の2に。つまり1時間あたりの人件費は約2倍になっていると考えられます。これに関しては、働く美容師にとっては良い変化ではあります。

それに付け加えて、水道料や熱費が上がり、材料費も高騰しており、店舗の内装費もかなり高騰しています。その他の物価も上昇しており、今後は人件費以外の必要な経費がさらに膨らむ可能性があります。

さらに、広告費用の問題もあります。ホットペッパーなどの広告費は高く、以前に比べてかなり作り込まないと新規のお客様は獲得できず、費用対効果が悪くなってきています。さらに今後は、広告を改善したり、コンテンツを管理するためにシステムやツールを導入する必要があり、それを管理するための人員リソースも増加しています。これらの広告活動の変化により、関連コストも大幅に上昇しています。

このように、同じ売り上げがあっても利益が大幅に確保しにくくなっている現状があります。

本質的な課題

では、これらの状況を打開するために必要な本質的な課題に焦点を当てて話を進めたいと思います。多くの課題が存在しますが、今日は特に重要な3つの課題にポイントを絞ってお話しします。

専門分野のスキル

第一の本質的な課題は「専門分野のスキル不足」です。お客さまに良いサービスや技術を提供するだけではなく、そして働く人にとって良い環境を作るだけでなく、様々な手段を用いて届ける必要があります。良いものがあれば良い訳ではなく認知を得て、それを通じて応募や集客につなげる必要があります。

たとえば、ランディングページやホームページを作成する際にも、どのように伝えるか、どんなライティングや順番で情報を掲載するか、写真の設定をどうすればGoogleに評価されるかなど、非常に奥が深い知識が求められます。そして、これらを一定の高いレベルで実施しなければ、競争に勝つことは難しい時代になっています。

ランディングページの作り方や広告の方法などの基本スキルは、YouTubeなどで容易に学べる時代になっています。しかし、これから結果を出していくには、更に専門的なスキルが求められるようになります。

これは、広告に関する専門的なスキルだけでなく、財務知識やマーケティング等、美容室経営に関するあらゆる分野で、専門分野のスキルを持った人材を集める必要があるのです。

この高度なスキルを持った人材をどう集めるかは、非常に重要であり、そこには相応の費用もかかりますが、これらのスキルを持った人と連携しながら業務を進める必要があり、今後のビジネス環境ではそれが求められるでしょう。

このような専門分野のスキルを持つ人材の確保が、本質的な課題の一つとなっています。

社内育成への拘りと偏り

2つ目の問題は必要なスキルを持ったスタッフを「社内で育成しようとする事」。社内での育成に重点を置くことは重要ですが、美容業界以外の必要な分野に関しては、美容師からの育成だけでは必要なレベルに到達しないことが多く専門家には敵わないという現実があります。

そして、美容室の運営には、次回予約の管理、広告運用、技術の細分化など、多様なスキルが必要です。自社の人材ではカバーできないノウハウが必要になる場面も多く、自社の強みではない分野については、外部の専門家と連携し、その知識や技術を活用することが必要です。全てを社内で育成しようとする発想から脱却し、外部の専門家と組んで価値を創造する方法を考えることが、これからの課題解決には不可欠だと感じています。

意思決定のスキーム

第三の問題点は、「意思決定のスキーム」に関するものです。時代の流れが非常に速く変化している中で、特にAIの登場以降、技術が変わり、社会も変わり、ニーズやトレンドが変化しています。1ヶ月前の正解が、今や古くなってしまうほどです。

このような状況を考えると、ピラミッド型の組織構造での意思決定の形態が、もはや適切でないと考えるのが自然です。

さらに大きな組織になると、組織が硬直化し、変化を好まなくなる傾向があります。流れが変わっているのに自社のやり方、仕組み文化が変わらないというのはもはや致命的。

そのため、意思決定が迅速かつ柔軟に行えるシステムが必要です。美容室が一店舗だけの場合は問題が少ないかもしれませんが、複数店舗を展開していく上での意思決定スキームは、今後深く考えていかなければならない本質的な課題であると思います。

対策


現状の表面的な問題としては、客数の減少、美容師の不足、利益構造の変化がありますが、これらを改善するための本質的な課題が存在します。対策を打つためには、まず資金もリソースも必要です。これらの本質的な課題を解決するためにどう行動すべきか解説します。

ビジネスモデルの再構築

財務、労務知識

専門家や外部の方との連携をする。必要な箇所にリソースを割いていくには資金が必要です。そして資金を作るには利益が必要で、利益を出していくには財務の知識が必須になります。

そして、利益が出ていたとしても、基本的な労務環境が整っていないだとすると、その状態は持続可能ではありません。今後ろ有無の整備を進めると利益構造は大きく変わってしまうからです。

労務と財務の知識を整え、それに基づいて資金調達や利益創出の戦略を立てることが必要です。

複数社での共同施策

次の対策として、複数の事業者と共同で価値を創造していく体制の構築が必要です。同じ10店舗の美容室を展開していても、各店舗の強みや方法は異なります。各自が持つ強みを活かしつつ、足りない部分は他者の強みで補い合う形式を取ることが求められます。

これは単に「望ましい」だけでなく、絶対的に必要な戦略となっています。

他業種とのマッチング

また、他業種とのマッチングも重要です。他業種が当たり前に行っていることを美容室に取り入れることで、差別化や付加価値の創出が可能になります。美容師だけでなく、他業種の専門家と協力し、共同で新しい価値を生み出す取り組みが重要です。

組むためには

自社以外の美容室、または別事業をしている企業と組む。ここで考えるべきことは、自社が他業種のどういう会社に対して何か価値を提供できるかという点です。

単に関係が良いからというレベルを超え、どのようにして美容室にとっての価値を創出し、他業界に自社の強みを活かした価値を提供できるかが鍵となります。これにより、持続可能なビジネスモデルを築くことができるでしょう。

組織構造

複数のブランド化

ブランドを分けて展開する戦略をおすすめいたします。

具体的には、異なるビジネスモデルや目指す市場セグメントに基づいた複数のブランドを持つことです。これにより、各ブランドごとに特化した戦略を展開することが可能となり、市場の変化や顧客のニーズに迅速に応えることができます。

また、スタッフ目線でのブランド分けも有効で、複数の働き方や強みの持った環境を準備する事によって、最も適した環境や役割で働けるようにすることができるため、一つのブランドで合わなくても移動ができたり、募集段階での間口を広げる事ができたりと多くのメリットがあります。

異なるブランドを持つことで、同じ市場環境下でも異なる意思決定を行える組織構造を構築することが可能です。何が正しいかは実際に試してみなければわからないため、複数のアプローチを持つことによって、一つの戦略が成功する可能性を高めると同時に、失敗した場合のリスクも分散できます。

このような戦略は、特定のブランドやアプローチに固執することなく、市場の変化や顧客の反応に応じて柔軟に対応することを可能にします。

一つのブランドや戦略が成功したとしても、それに依存するのではなく、常に複数の選択肢を持つことで、将来的な変化に強い組織を築くことができます。

組織のミニマム化

組織のミニマム化、または軽量化は、迅速かつ柔軟な意思決定を促進するうえで重要な戦略です。

各ブランドを独立性の高い単位として機能させ、トップには重要な経営決断を除いて広範な裁量権を持たせることで、より効果的に運営する形を目指すべきかと考えています。

具体的には、一つのブランドに一人のトップを置き、その下に数店舗(例えば3店舗程度)を統括させる構造が理想的です。これにより、トップはそのブランドに関するほぼ全ての決定を迅速に行うことができ、大きな組織の障害になることなく柔軟に対応可能です。この形式では、トップが直接意思決定を行い、即座に反映させることができるため、市場の変動や顧客のニーズに素早く応えることが可能となります。

このような軽量化された組織構造は、中央集権的な重いピラミッド型よりも、変化に対して柔軟に対応しやすく、イノベーションの実施が容易になるため、競争が激しい美容業界において特に効果的です。

無駄の排除

必要なものに時間と資金を集中していくには徹底的に無駄を排除していく必要があります。無駄の中には「必要な無駄」というのも存在しますので、何も生み出さない「本当の無駄」を排除することにより、必要なリソースを新しい取り組みや改善に向けるという意味になります。

業務の中でやめても変わらないものはないか?この会議は本当に必要なのか?人の手を使わなくてはならないところななのか?既存の業務を隅々まで見直し必要なものは残しつつ、不必要なものは排除する。古い慣習や「これまでのやり方」に固執することなく、現代のビジネス環境に合わせて柔軟に対応することが大切です。

新しい技術や手法を取り入れ、そのためのスペースを確保するためには、非効率的な業務を削減し、リソースを効率的に配分する必要があります。このような判断と調整が、今後のビジネスの成長と持続可能性にとってより一層重要になってくるのではないでしょうか。

まとめ

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