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美容師開業 一人ならシェアサロンか?店舗を持つか。それとも自宅下か?|美容室経営

美容師さんが一人で開業する場合、シェアサロン、自宅サロン、あるいは店舗を持つか、この3つの選択肢のメリットとデメリットについて話したいと思います。最近、シェアサロンを訪れる機会がありました。元スタッフがシェアサロンにいて、撮影を許可していただき取材させていただいたのですが、その際、仕組みやシステムについて詳しく聞くことができ、状況が変わっている部分もありますので、それも踏まえて解説していきたいと思います。

シェアサロンのメリット

まず、シェアサロンのメリットから始めます。1人で開業する場合、シェアサロンは非常に有効な選択肢かもしれません。その理由について詳しく説明します。

開業までの時間

まず、開業までの時間についてです。今日開業を決めたら、実際には手続きを行うだけですぐに始めることが可能です。

店舗を持つ場合や自宅を店舗にする場合は、費用の問題もありますし、適切な場所やテナントを見つけることができるかどうか、不動産との繋がりも重要になります。現在開業を考えている方が物件探しに奔走していると思いますが、なかなか良い物件に巡り会うことは難しいです。

物件自体を妥協することは、開業時には許されないことですので、適切な縁があるまでに時間がかかるのも、店舗を持つ方法や自宅を店舗にする方法の大きなデメリットではないでしょうか。

資金

次に、開業資金の問題です。開業資金を準備する必要ないため、貯金をする時間も短縮されます。開業資金が不要であることは、借入れの必要がないという事で、借入れがないということは毎月の返済が不要であるということです。

ここでのポイントは返済するお金は「経費にはならない」という事です。例えば、売り上げが100万円で、材料費などに50万円を使った場合、残りの50万円が収入になります。もし返済が月10万円あれば、その10万円は経費には含まれず、利益から直接差し引かれる形になります。

したがって、借入れには節税効果がないのです。このように、返済金が経費にならず利益を圧迫することを考えると、開業資金が不要であることは非常に大きな利点だと言えるでしょう。

複数場所

場所に関しても大きなメリットがあります。たとえば、メインの活動拠点を大阪に置きながら、東京にも同じグループのシェアサロンがあれば、そこでも活動することができます。

さらに、福岡や東京など、複数の都市に拠点を持つことで、広範囲の地域で仕事ができるという利点があります。大阪であれば、梅田、難波、天王寺の3つの主要な地域をカバーできるため、すべてのエリアのお客様にサービスを提供することが可能です。

また、美容業界であれば、特に関西地区の美容師が東京の美容師さんとコンタクトを取りたい場合もあります。その際、一緒にサロンワークをすることで、東京で出張しながら収入を得るということも可能です。

複数の場所で活動できることは非常に大きなメリットと言えます。

情報

もう一つ意外なメリットがあります。それは情報の共有です。

通常、一人で美容室を運営すると、顧客以外とコミュニケーションを取る時間がほとんどありません。しかしシェアサロンでは様々なジャンルの美容師さんが働いていて、休憩するためのバックルームとうで、情報交換が盛んに行われているそうです。

しかも、SNSで集客を行ったり、個人での情報発信に力を入れている方が多いため、技術や接客スキルが高い美容師さんたちが多く集まっており、高レベルの技術や発信に関する情報を共有できる点も、シェアサロンの大きなメリットだと思います。

システム

最後に、システムについてです。私が一番驚いたことは、一人で美容師をしていく上で必要なシステムが、シェアサロンにはすべて整っていたことです。

具体的には、お客様が来店された際に呼び出しを行うシステムから始まり、ネット予約や会計の仕組みに至るまで、一人で運営する際に必要なシステムがほぼ網羅されています。

もちろんどのシェアサロンを選ぶかによりますが、トップクラスのシェアサロンであれば、必要なシステムが全て揃っている上、開業資金が不要で、借入れの必要もなく使用できるという大きなメリットがあります。

個人的には、もし一人で開業するなら、シェアサロンを選ぶのではないかと。

店舗を持つメリット

では次に店舗を持つメリットを紹介します。

内装

次に、自分の店を持つメリットについて考えてみたいと思います。まず、内装に関してです。シェアサロンでは、自分の個室を自分でデザインすることも可能ですが、全体の内装デザインを完全に自分で決めることはできません。

自分の理想とする空間で仕事をしたい、あるいは自分がデザインした内装の中で仕事をしたいと考える方にとっては、自分の店舗を持つことが一つの解決策になるでしょう。これにより、「自分だけの空間」を持つ「一国一城の主になる」というオーナー的な満足感を得られる点も、自店舗を持つ大きなメリットと言えます。

人間関係

人間関係についても触れておきたいと思います。シェアサロンの場合、情報交換ができる点をメリットとしてお伝えしましたが、その反面、他の利用者との人間関係が生じることになります。

お客様以外との人間関係がストレスになっている方にとって、自店舗を持つことは大きな利点になり得ます。自店舗では、人間関係のコントロールがしやすく、自分のペースでビジネスを運営することが可能です。これにより、対人関係におけるストレスを軽減し、より集中して業務に取り組めたり、ストレスフリーな充実したライフスタイルを送ることができます。

郊外の場合

地理的な条件も開業の選択肢に影響を与えます。例えば、郊外でシェアサロンが存在しない場合、シェアサロンという選択肢はそもそもありませんので、自店舗を持つことが必然となります。

自宅サロンと比較して、独立した店舗を持つ最大の違いは、生活と職場がはっきりと分かれている点です。特に、求人の面から見ると、自宅に併設された美容室に就職したいと思う人は限られるかもしれません。一人で運営を続ける場合には問題ないかもしれませんが、ビジネスが拡大し、スタッフの採用を考える際には、独立した店舗を持つ方がメリットが高くなる可能性があります。

自宅店舗のメリット

開業資金

自宅兼店舗にすることのメリットについても考えてみましょう。特に、開業資金の面で非常に大きなメリットがあります。自宅を新築する際に組む住宅ローンを活用して、一部の店舗建設費用や設備もカバーすることができる場合があります。

たとえば、外壁や内部の配線などのコストを住宅ローンに組み込むことが可能です。これにより、別途大規模な事業用の融資を組む必要が減少、または必要なくなることもあります。

通常、店舗を作る場合と住宅を建設する場合に別々にローンを組むと、2重の負担になります。この方法では場合によりローンを一本化できたり、自宅と共有する部分も出てくるので、全体的なコストを大幅に削減できる可能性があります。このように、開業資金面での節約は、自宅兼店舗を選択する大きな理由の一つです。

時間

時間の節約も、自宅兼店舗の大きなメリットの一つです。通勤時間は本当に無駄なものと感じることが多いです。10分の通勤時間だとしても1日ではそんなに大きく感じませんが1年通じて見ると大きな時間の損失です。

たとえ自転車で行く場合でも、スマホを見ながらでは行けませんし、電車で移動する場合には、一部はスマホで仕事ができたとしても、やはり移動に時間が取られます。しかし、自宅が店舗である場合、通勤時間はゼロになります。この無駄な時間を避けることが、仕事効率を向上させる大きなアドバンテージになります。

さらに、ライフスタイルと仕事の融合性も向上します。例えば、子どものお迎えに行って、そのまま家に帰ってから仕事を再開することができます。時間の無駄がなく、プライベートの時間も大切にできる点は、自宅兼店舗を選択する大きな理由です。

このようなライフスタイルを重視する方にとって、自宅兼店舗は非常に魅力的な選択肢だと言えるでしょう。

収益性

自宅兼店舗を選ぶもう一つの大きなメリットは、家賃が発生しないことです。これにより、収益性が独立した店舗とは全く異なるものになります。

確かに住宅ローンは支払い続ける必要がありますが、通常、独立した店舗を構える場合には、住宅ローンとは別に店舗の家賃も発生します。自宅兼店舗の場合、この店舗の家賃が発生しないため、大きな経済的利点となります。

美容師として一人で経営する際、どれだけの売上を上げられるかには限界があります。日本で2000万円や3000万円を一人で売り上げる美容師はまだ珍しいでしょう。そのため、固定費を抑えることが収益性に大きく影響します。家賃が発生しないことは、その固定費を大きく削減することに直結し、より高い利益を出しやすく、運営上の計算がしやすくなります。

最も失敗しにくい独立の形と言っても過言ではありません。

一方、都心で自宅兼店舗を構える場合には、確かに異なる側面も考慮する必要があります。例えば、梅田のような都心部では、土地を見つけて家を建てることは難しいです。これにより、お客様が来店する際に少し遠くなる可能性があることも検討材料です。

また、プライベートとの区別がしにくくなる問題も生じるかもしれません。

プライベートの時間と仕事の時間の境界があいまいになり、生活の中で仕事が常に存在する感覚になることがあります。ライフスタイルに合わせたバランスを見極めることが、自宅兼店舗を選択する際の重要な要素です。

順番にステップアップしていく道も

選択肢を順に進めるという方法も有効です。まずはシェアサロンからスタートして、そこで経験と顧客基盤を築きながら、自分の店舗を持つことを目指すという道筋もあります。

シェアサロンでは、一つの席だけでなく、複数の席を借りることができる場所もあるため、スタッフを募集して3人体制を整えた後に、雇用型のサロンを開設するという選択も考えられます。

シェアサロンを選ぶ利点は、リスクを抑えながら独立を試みることができる点です。最初にリスクを低く抑えてシェアサロンでスタートし、そこで成功し集客が見込めると確信したら、次のステップとして自分の店舗を持つという流れは、非常に合理的でおすすめの方法です。このプロセスを通じて、徐々に事業規模を拡大し、経営スキルとノウハウ、資産を高めていくことが可能になります。

まとめ

独立したい動機や価値観によって、どの選択肢が最適かは大きく異なります。

例えば、自分だけの空間を持ちたいという強い願望がある場合や、人間関係に疲れてそのストレスから逃れたいと感じている場合、それぞれに適した選択肢が存在します。

自己表現や独自性を重視するならば、独立した店舗を持つメリットが魅力的に感じられるでしょう。逆にリスクを避け、段階的に事業を拡大していきたい場合はシェアサロンから始めるのが良いかもしれません。

どの道を選ぶかは、何を避けたいか、何を大切にしたいかに依存します。このようなメリットとデメリットを理解し、自身の状況や価値観に合った選択をすることが重要です。それにより、自分にとっての「いい選択」が見えてくるはずです。自分にとって最適な道を見つけるために参考にしてみてくでさい。

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