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美容室経営 開業|経営者(オーナー)になるために必要な知識とは?失敗しないためのポイントを解説

美容室経営者、オーナースタイリストとなり開業を目指す方に、成功していくために身につけておくべき知識と情報を網羅的に解説します。

美容室経営で成功するために抑えるべきポイントは?

さあ、美容師としての経験も積んだ。そろそろ独立して目標としていた自分の美容室を開業するぞ。何から準備していけばいいんだ?まず成功している人に話を聞きに行こう。

こんな感じで先輩に相談に行ったり、先に独立した方に話を聞きに行く機会があると思いますが、そこでどんな質問をしますか?

多くの方が成功した方法、上手くいくための情報を得るための質問をします。もちろんこれも大切です。成功した方法やノウハウというのは外部の要因や、経営者、スタッフさんの能力や属性により大きく左右され意外と再現性がないんです。「成功した理由の9割は運である」という研究結果もあるくらいでその通りやったからと言って自分も成功するかどうかは分かりません。

ではどんな質問をすればいいのか?どんな情報を集めればいいのか?

それは「失敗」

成功事例に比べて失敗事例は再現性が高い。同じことをやれば失敗する確率が高いのです。というかほぼ失敗します。

なので必ず上手く行った方法と合わせて、今の事業で実際に失敗した事についての質問をするようにして下さい。必ずあなたの力になるはずです。

成功する率を上げるポイントは致命的な失敗をしない事。内容と要因を知り、同じことをしない。致命的な失敗を防いでいけば最終的に成功していくという算段です。

美容室経営者(オーナー)がやってしまいがちな失敗

多くの経営者の方がやってしまいがちなのが「お客様の事を考える」事。

美容師なんだからお客様にどう喜んでいただくか考えるのは当たり前だろう。そんな非難が集まりそうですが、お客様のことだけを考えても美容室経営は上手くいかないんです。

開業時、出店場所を考える時、ここの駅の利用人数は◯◯人。人口も増えている。後、競合もまだ少ない。お客様はご来店していただけるだろう。

そして競合調査をして、このメニューを軸にしてホットペッパーを作ったら間違いない!こんな感じでお店のウリを作っていくと。

一般的にはこのような考え方で市場調査をし様々な決断をしていくと思うのですがここに落とし穴があるのです。

今美容室が廃業、閉店している一番大きな理由、美容業界の問題とはなんでしょうか?

「スタッフ」です。

スタッフの離職が続き、新たなスタッフがきてくれる見込みが立たない。これでは黒字化できない。利益も出ない。このまま赤字が続いていくのは厳しい。お店を閉めよう。

周りで閉店した美容室はどうでしょう?お客様がきてくださらないから廃業する。よりも圧倒的に多いのではないでしょうか?

スタッフが集まらなくては、店舗展開おろか1店舗を利益化するのも大変です。

一人美容室を開業する場合を除いてお客様の事だけでなく「スタッフ」の事を考え全ての決断をしなければ失敗する。物件の選定から、立地の判断も。ウリにするメニューや単価設定、さらには店舗の内装デザインも。成功するには両方の視点を持つことが重要だという事です。

美容業界求人事情の現状は?

美容業界に限らずですが圧倒的な求人難です。全国的に非常に厳しい状況です。

20年前と比べて新卒のお給料はどうなりましたか?

当時の12.3万が平均。実際に10万円を切るよううな目を疑うような提示もあったくらいです。それが今の相場では20万位上でないと話にならない。労働時間も改善が進み適正になり、社会保険の導入も進んできました。

ひと昔まであれば、新卒で20万円の提示、労働時間も8時間以内、社会保険あり、週休二日。これだけ打ち出せば全国のどのエリアでも溢れるほどの応募が取れたのではないかと思います。

しかし現状はこのような条件が揃っている程度では何の優位性にもなりません。当たり前です。

もはや労務条件が整っていなければスタートラインに立てない。必要最低条件で求職者の方が選ぶ理由にはならない。

労務条件が揃った上で、あなたの会社はどんな魅力や仕組み、強みがありますか?どんな人がどんな思いで何を成し遂げようとしていますか?こんな戦いが繰り広げられているわけで、今後さらにこの基準は上がる方向になっていきます。

トップに立って、スタッフを雇用していくには常に自社の魅力は何かという問いをもち改善する覚悟と、求職者は何を求めているのかを感じる力を磨いていかなくてはなりません。

一人美容室を開業するメリット

一人で美容室を開業すると、このような求人獲得戦争に巻き込まれる心配はありません。スタッフを雇う事がなければ、離職のリスクに怯える事もなく、お客様のことだけを考えて全ての決断をし、その決断が自分の事も大切にできる道につながっているとすれば。もう最高です。

また、一人美容室の経営は自分の健康がありサロンワークに立ち続けることができれば、収益的、財務的な側面から見ても安定感がありリスクは最小で済むので失敗する確率の低いビジネスモデルでもあります。

サロンワークに立てなくなった時が一番のデメリットでしたが、今は手だけ動けば収益を上げられるビジネスもたくさんあります。安定した収入を副業で得る事によって、体を壊した状況であってもやっていける計算がつきます。自分自身が何を大切にしたいか、にもよりますがスタッフは雇用しないという決断も今と今後の美容業界の現状を考えると一つの良い選択肢ではないかと。

開業前からできる求人戦略と準備

自分は1人ではなくスタッフを雇用してやって行きたいんだ。という方は開業前の段階で何を準備しておけば良いのでしょうか?

求人市場の調査

出店場所を決めるときには、お客様市場の調査を実施し、新規のお客様がどれだけ集客できるか。この視点だけで決めてはいけません。このエリアで働きたい美容師はいるか?という点を抑えておくのが非常に重要です。どんな素晴らしい環境を作ってもそこに美容室のニーズがなければスタッフを集めるのは難しくなります。

SNS広告やリスティング広告を打っても見られる確率は低く、後で打てる手が少ないという事もあります。

では具体的にどのような方法でやっていくのか。おすすめの方法を紹介いたしますのでぜひ活用下さい。

1、求人会社に問い合わせる

地域の求人会社さんに開業する予定だという事をお伝えし、出店候補地の過去半年の実績を聞いてみるところから始めましょう。採用課金型であれば、ランニングコストがかかるわけでもなく、良い人材がきた時にだけ採用すればいいのでリスクはなく、基本的には契約する流れでお話しできるので過去のデータ等の資料も見せてもらえるはずです。

2、求人媒体から調査

リジョブ、リクエストQJ、ビューティワーク等の大手求人媒体をみて、どのような条件で募集をかけているのか、労務条件(お給料、休み、保険)以外の訴求軸はどんなものを打ち出しているのか。競合店全ての情報を一覧にするくらいの気持ちでエクセル等にまとめます。

その後、ホットペッパー等から在籍人数と席数をピックアップ。

出来あっがった表を見ていくと、どのくらいの条件の所には何人くらいのスタッフが在籍しているのか。こんなに良い条件のところが多いのに集まっていないエリアだな。等傾向が見えるようになってきます。

スタッフが集まっている会社企業の調査

時代の流れやトレンドによって、求職者の方が何を求めているのかは変化していきます。今どんな環境や仕組みが求められているのか?ニーズを調査しておくことは、開業時の求人に対してのウリを明確にしたり環境を作っていく上で貴重な情報になります。

業界を見渡しても求人難で困っているお店と人が溢れ選べる状況にあるお店、明らかに2極化していて、うまくいっている企業のことを調べるとたくさんのヒントを得ることができます。

どうやって調査するのか?今は便利な時代です。SNSというものがあるではないですか。

今現在人が集まっている美容室企業は必ず発信をしています。経営者だけでなく、スタッフさんもSNS等で発信していて、自社はどんな想いでどんな事に挑戦しているのか。SNSをチェックしていけば必ず何かが見えてきます。

自分のSNSも育てよう

人が集まっている企業ではほぼ100%発信活動がなされている。という事は自分も始めるべきです。今まではお客様に対しての発信をしてきたかもしれません。しかし今後開業し、スタッフを雇用していくには美容師さんにも認知してもらう必要があり、対美容師さんに対しても届く発信をしていくべきです。対お客様に対しての発信と対美容師に対して求人をゴールとした発信はまた違うものになってきますので内容や発信の方法も工夫していかなくてはなりません。

美容室経営において人材獲得の一人当たり平均費用、資金の目安は?

今や人材一人を獲得するのにかかる費用、採用活動を行う上で必要な資金は求人難に比例して上がる一方。びっくり仰天な金額です。どの方法で採用するかによりますが、平均的には約30万〜。売上を持った美容師さんで紹介会社経由だと約90万以上の費用がかかる事もあります。

自分の発信やSNSの広告運用などで上手くいけば一人当たり10万円以下で採用が可能なケースもありますが、中々簡単ではありません。

なぜ?求人媒体に載せただけでは応募はこない!?

媒体に募集概要を載せたら応募が来る。そんな甘い時代ではありません。ホットペッパーと同様、求人媒体に乗っている美容室数も大幅に増えている中で、媒体内での戦いも激化しています。どれだけ良い環境が整っていても広告上で上手く伝える事ができなければ選ばれることはありません。媒体に掲載するだけではなく、記事のクオリティを上げ、作り込んでいかなくてはなりません。

また美容師人口の減少と媒体自体を利用する方が減った。というのも媒体内での戦いが激化している要因でもあります。

さらに、求職者の方は一つの媒体の情報だけでは決めない。という傾向があり様々な所からあらゆる情報を見て転職先を判断するという流れがあり、求人媒体で候補のお店を見つけたら、ホットペッパーを見て、社長のインスタを見て、スタッフの発信を確認してと回遊していきます。

なので、媒体の掲載しているだけでは、どれだけ素晴らしい広告記事を作ったとしても、回遊先に助方がなければ情報不足、機会損失が生まれてしまうという事です。

求人媒体は一つの入口で、例えその媒体で決まらなくてもお店を知っていただくきっかけとして契約している。そう話す美容室経営者の方も少なくありません。入り口となり情報を集める基点になるであろうコンテンツを事前に予測し、求人媒体も含めどれだけの時間とコストをかけ作っていくのか検討しなくてはなりません。

美容師で転職を考える方はどこで情報を得るのか?

では回遊先となるのはどのようなコンテンツが考えられるのか具体的にみていきましょう

1、求人媒体

求人媒体は鉄板です。開業時は予算を割く事は難しいかも知れませんが開業後軌道に乗り使える経費に余裕が出てきたら掲載も考えていましょう。

ただし一つ注意点です。求人媒体の費用のかかり方は大きく分けて3つ

1、採用課金型

採用時にお金が発生するシステムで掲載するのにはお金がかからないモデルです。

紹介会社さん等がこれにあたります

2、掲載課金型

何人採用しても費用は変わらず、広告掲載をするのに1ヶ月⚪︎円という設定がされているものです。一番大手の企業はリクエストQJさんです。

3、ハイブリット型

掲載費用も採用費用もどちらもかかるタイプ。どちらの料金も、1と2と比較すると安めに設定されています。リジョブさん等がこのタイプです。

2、の掲載課金型の媒体選びには気をつけなくてはなりません。おそらく開業したら営業の電話がひっきりなしにかかってきます。どうしても求人が欲しい時に乗ってしまいがちなのですが、弊社もいくつか契約してみたものの、採用課金型の求人媒体で過去に効果があったのはリクエストQJさんのみです。

それ以外の採用課金型の媒体は個人的な見解ですがやめておいた方がいいのではないかと。

2、SNS

オーナーのSNS、スタッフのSNS、リクルートや集客用のSNS。あらゆるSNSを回遊し情報を集める傾向にあります。その中ではスタッフさんとオーナーさんの間でどんなやり取りがされているのか、コメント等までチェックするという方もいらっしゃいます

3、ホームページ

気になる会社があれば検索しホームページを見るという流れもまだまだ残っています。ホームページは基本的には目的を一つに絞って情報を掲載すのが良いとされています。そのため、対お客様のホームページと対スタッフさん向けのサイトは分けて別々に作成し運営するのが理想です。

4、ホットペッパー

意外に多いのがホットペッパーです。どんなメニューを打ち出しているのか。客層やターゲットはどんな感じか、口コミ返信やブログからどんなスタッフさんが活躍しどんな特徴があるのか。等々。隅から隅まで見ていると考えておいてもいいくらいです。なので、集客だけを意識してウリの設定をすると求人面で悪い影響が出てしまう可能性がある事を理解した上で、求人と集客両面から考えた構成が必要になります。

このように幾つかの媒体やコンテンツを回りながら、情報を集め判断するのが今の流れなのですが、この中にあなたのコンテンツがない。そんなものはないでしょうか?

コンテンツがなければ情報を提供するチャンスを逃すことになり、大きな機会損失を生みます。どれだけいい環境を作ってもその情報が届かなければ応募は来ない。

この大求人戦国時代真っ只中で一つの機会損失はとにかく大きい。この辺りの準備も時間がかかりますので開業前の早い段階から取り組み、十分な準備期間を確保しオープン前にしっかりと済ませておきたい所です。

まとめ

美容室経営はお客様に選んでいただける事はもちろんですが、いかにスタッフを集めることができるか。そして長く勤めてもらえる環境を作れるかどうか。ここに全てがかかっています。必ず集客面だけでなく『スタッフ』の軸をもち、バランスの取れた決断をしていく事が大切です。

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