弊社では正社員雇用で『完全自由シフト』と言う今までの美容業界ではあまり例のない仕組みで運営してます。今回はその仕組みについての概要と、メリットデメリットを含めお伝えいたします。完全自由シフトは企業文化、方向性、属性等により合う合わないはあり、全ての美容室にマッチするわけではありませんが、今後の方向性を考える上で参考にしていただけるのではないかと思います。
正社員雇用で完全自由シフト
弊社では現在新規採用は正社員雇用のみで募集しており、社会保険完備の正社員形態でありながら、全スタッフが完全自由シフト制になります。
出勤時間、退勤時間、休み回数全て自由
25日までに翌々月のシフトを各自が予約システムに入力
予約がなければ当日直前まで変更可能
シフト変更時に許可を取ったり、申請する必要はなし
中抜け(例:11時から13時まで予約を切ってランチに行く等)もオッケー
指名数や売上等の条件はなし
フレックス制を土台として構築した仕組みで、コアタイム(必ず出勤しなくてはいけない時間)の設定もありません。
なぜ完全自由シフトにしているのか
弊社には『ベーシックツリー』と言ういわゆる理念や、ビジョンのようなものを表現したものがあるのですが、全ての考え方の根っこにあるのが、最期にいい人生だったと思える決断を。というキーワードです。
最期に良い人生だったなと思えるような生き方をする上で、『自分の事を大切にする』『大切な人との時間を大切にする』この2点が必要だと考えています。
皆さんの大切な人との時間とはどんな時間でしょうか?
おじいちゃん、おばあちゃんに会いに行く時間、家族と過ごす時間、友人の結婚式、あるいは友人とランチに行く時間が人生において最も重要だ。と言う方のいるかもしれません。
そう。人それそれなんです。
人それぞれ、大切な人は違い、大切な時間も違う。仕事よりも大事な時間が誰にでもあって、そこに基準を設ける事はできない。なので全て自由。自分の大切な時間は自分で決められる。このような仕組みを採用しているのです。
完全自由シフトのデメリット
全て自由なんです。とお話しするとこんなケースはないのか。崩壊したりしないのか。とデメリットに関してのご質問を良く頂きます。おそらく、皆様が不安に思われるところは
- 勤務時間が短くなるのでは?
- 休みの日が出てしまうのでは?
- 誰もいない時間帯ができるのでは?
- 結果売り上げが下がってしまうのでは?
このような内容かと。
ただこのような心配ごとはほぼ起こりません。
まず、誰しもが自分の生活に必要なお給料の金額というものがあります。なので最低限、自分の必要額分は勤務しますし、現実的でないほどの金額で生活できる人はそういません。
休みに関しては年に1.2回あるかないかです。定休日を設定しているお店であれば、週1でも月に4回。年間50日近くは閉まっているわけで、年中無休の弊社の方がお店が休みの日は圧倒的に少ない。
またお客様がお困りになるのは、自分が行きたい時間に店がしまっている事なので、早めのご予約や次回予約をお勧めすれば何の問題も発生しません。
他に正社員雇用で完全自由という仕組みを採用しているお店はほぼないので、離職予防にもなり、長くと勤務してくれるので結果、売り上げは積み上がっていきます。
このように、多くの方が心配されるような事はほとんど起きません。
ただ、ごく稀に自由を勘違いされる方は出てきます。弊社の割合で行くと2%といったところです。50人に1人。何でもいいわけではなく、モラルや文化で成り立っている側面もありますので、自由の履き違いだけは危険です。
人数が少ないうちはこの2%も本当に稀な1名ですが、人数が増えてきて弊社でも対策が必要だという事で、なぜ自由シフトなのかと言うその根本にある考え方を、求人媒体の段階から見学面接、入社に至るまで説明とすり合わせを今まで以上にするようになりました。
対策を講じてからは今の所『稀なケース』は発生していません。
長期のライフワークバランスがイメージできる完全自由シフトのメリット
メリットとなる点はたくさんあるのですが、1つのスタイルであらゆる形に対応できると言うのが大きなメリットだと感じています。例えば、フルタイムで勤務する時期、出産前、出産後の育児期間、お子様が高校生くらいになって3分の2くらいの勤務になる時期。
全て一つの同じ仕組みで完結するので、自分がどうなったら、こうなる、と言うイメージがしやすくなります。パターン毎に形態を準備するのも良いと思うのですが、把握するのが大変だったり、実際体験していないとイメージができない。そういった側面もあるので一つで完結は大きな強みかと思います。
今後の求人戦略では完全自由シフト以外の魅力を強化
完全自由シフトは今現在、弊社の求人戦略において重要な項目となっていますが、今後は働き方以外の魅力を強化したい。と考えています。
条件や労務環境が整備されているのは当たり前。独自の仕組みを持っているのも当たり前。と言う戦いに入っており、どんな人がどんな思想でどんな価値を創ろうとしているのか。人や文化といった所にフォーカスが当たるようになります。
詳しくは次回のコラムで発信いたしますので、そちらも是非見ていただければなと思います。
まとめ
完全自由シフトは根っこにある考えを形にした一つの文化でもあります。働き方に大きな魅力を持つ事は美容室経営において非常に重要ですし、マネしにくい形態でもありますので優位性が保てる仕組みでもあります。
合計の勤務時間は決めて、配分を自由にする。コアタイムの導入や平日のみ自由シフトにする。様々なパターンがありますので一部でも採用できないか。是非検討して見てください。
なぜ正社員雇用でできるのか。お給料システム等の詳細はセミナー等で詳しくお話しさせて頂きます。
またサロンシティには過去の自由シフト解説セミナーのアーカイブ上がっております。興味のある方はサロンシティ入会も是非ご検討ください。