一人美容室開業 経営は失敗しにくい?メリットデメリット徹底解説|美容師 独立

1人の美容室を開業する選択はどうなのか?今回は、独立を目指す美容師さんに知っておいて頂きたい、一人サロン経営のメリットやデメリットや必要な知識や情報について解説します。信号機の数より多い日本の美容室で最も多いのが一人で運営している個人のヘアサロン。なぜ一人サロンが人気で多いのか?その理由も知っていただけるかと思います。

美容師が一人で開業して経営するメリットとは?

なぜ一人サロンが多いのか?そこには何かメリットや理由があるはずです。スタッフを雇用するパターンとの違いも含めて見ていきましょう。

美容業界の最大の問題を気にしなくてもいい

美容業界の最も大きな問題は何か?それは人の問題です。美容師の数が減ってきている中、美容室自体の数は今だに増え続けています。美容室一店舗あたりに対する美容師の求人数はそれに比例して非常に厳しい状況になってきていて、人件費も高騰している状況。

美容室が廃業する最も理由で最も多いのは、お客様が来てくださらず経営が困難になるのではなく、スタッフが集まらず営業していくもこみがつかなくなるケースです。

美容師さんが就職先や転職先を探す際は、お店のコンセプトやメニュー展開、内装等もチェックして選ぶ傾向にありますので、完全に利用して頂くお客様のことだけを考える。というわけにはいきません。お客様から支持されるコンセプトやサービス、内装であっても美容師側にニーズがないと求人面で苦労してしまいます。

またスタッフが集まった後も、離職を防ぐために様々な事に配慮しながら運営しなくてはならないのでストレスを感じたり、オーナーだからと言って全て自由には決められず、本来独立を目指した理由とのずれが生じるケースも少なくありません。

一人サロンで開業すればこの一番大きな問題の影響を受けず、最も多い失敗要因をクリアする事になる分、お客様に喜んでいただく事だけに集中でき、美容師としての仕事に集中できる環境を作ることができます。

収入収益が安定する

次に、収入や収益の側面から。美容室の経費の中で一番大きな割合を占めるのが「人件費」です。一般的な正社員雇用であれば、売上が立たない時でも固定の人件費はかかってきます。

一方で一人サロンの場合は自分が安定した売上を上げることができれば、人件費に圧迫される事はなく、自分自身が生活していく分を稼ぐ事はそんなにハードルの高い事ではありません。

またSNSやインターネットの発展もあり、一人でもかなりの売り上げを上げる美容師さんが続出しています。中には月間500万以上の売り上げを持っている方もいますし、200万の売り上げのあるマンツーマンでやってらっしゃる方はゴロゴロいる時代です。一人であったとしてもやるべき事をしっかりやればお医者様より儲かる業態でもあるのです。

自分の理想を叶えられる

独立を志す理由には、自分の中の理想があるのではないでしょうか?お客様をどうお迎えするのか、喜んでいただく方法や手段、そしてカットやカラー、パーマの技術、施術にも高い理想がある。シャンプーも自分で担当したい。そしてゆったりとした雰囲気の落ち着いた空間の中で仕事がしたい。一人でやれば全て自分の理想を追求する事が許されます。休日や予約の時間も全て自由に考えられるのでプライベートとのバランスもとりやすい。誰かに合わせて決める必要はありません。

なぜ独立したいと考えているのか。その理由によってもスタッフを雇って店舗展開していくのか、一人でこだわりのサロンをやっていくのか。決断すべき道は変わってきます。

個人経営のデメリットとは?

では逆に。一人サロンを経営するデメリットはないのか?冒頭の内容だけでも一人美容室というのは魅力的です。ですが、当然ながら一人でやるリスクも存在しますのでこちらも解説していきます。

サロンワークに立てなくなったら

基本的に皆さん将来を考える時、自分がずっと元気である。という想定でイメージされると思います。しかし人はどこで何があるか分かりません。今まで健康だった方でも急に大きな病気になるかもしれません。交通事故に遭って利き手が動かなくなってしまう可能性だってある。何があるか分からない事。決して忘れてはいけません。

もしスタッフさんがいてくれれば、自分に何かあった時でもお店を運営していく事は可能ですが、一人の場合そうはいきません。自分が稼働できる事が絶対条件になる。最大のリスクはこの点にあります。

収入のアッパーがある

やはり一人でやるには限界があります。いくらどう頑張っても、サロンワークのみで月間1000万の売り上げを上げる事はできないでしょう。なのでどこかで頭打ちになる事は間違いありません。

また健康であったとしても、年齢を重ねれば、体力の低下は誰にでもあります。美容師を含む技術職は働いた時間と収入が比例しますのでサロンワークに立つ時間が経れば、収入も減ってしまいます。

開業して2.3年がピークでその後、少しずつ年収は下がってしまう。このようなリスクも考えておく必要があります。

人と何かを成し遂げる喜びがない

一人でやれば人で悩む事もありませんが、人と喜びを分かち合う事もありません。アシスタントの成長やスタイリストになる瞬間を見ることもなければ、何かの目標を達成したとしても隣で一緒に喜んでくれるスタッフもいません。

性格による所ですが、この辺りをどう考えるかも重要かもしれません。

一人サロンのデメリットやリスクに備える方法

サロンワーク単体で考えると、今紹介してきたようなデメリットが大きく感じるかもしれませんが、サロンワークとは別の可能性に目を向けるとこのリスクを打破する方法が見えてきます。

今は違う会社の個人と個人がチームになってプロジェクトを進めたり、他者の教育をサポートする仕事があったり、個人でサロンを経営しているノウハウを使って様々な価値や人との交流を生むことも可能です。

1人サロンが失敗する時の理由と注意点

一人サロンでは、美容室が廃業、失敗する要因の多くをビジネスモデルの段階でクリアしていますので実は中々潰れない。失敗しにくい業態ではあります。しかしながら全ての一人サロンがずっと続くわけではなく、失敗してしまう事例もあります。何かしらの理由でサロンワークに立てなくなった。このパターン以外で確認していきましょう。

立地、物件選びのミス

ここで問題になるのは駅からの距離等の部分ではありません。固定費の問題です。固定費というのは毎月必ずかかってくる費用のことで、家賃がそれに当たります。

物件探しは実はものすごく大変で、特に1店舗目の開業時には動いてくれる不動産屋さんが少な買ったり、創業NGのテナントがあったりで中々理想の物件に出会えない事も少なくありません。

そこで少し想定の範囲より家賃は高いが、出店希望エリアでいいのを見つけてしまった!こういう時にやってしまいがちな失敗です。

家賃は契約後に安くなる事はほとんでおありません。また、実際経営してみると想定していなかった経費が意外とかかってきて、思ったより利益が出ない。なんて事もよくある話です。

想定より高い家賃の物件に入ってしまい。必要な収入を得る事ができない。こうなればやっていく事はできませんので、「家賃」の条件は絶対に妥協しない。この点は重要なポイントです。

運転資金を残していない

開業時は自己資金と借入でお金を準備してそこから、物件取得費用や内装費等、必要なものを揃えていきます。ここで注意して頂きたいのが、全てのお金を使い切ってがいけないという事。

独立を考える方の多くは、今のお店の顧客様がご来店くださるだろう。と考えていると思うのですが、それは不確定事項で、もしかしたら来てくださらないかもしれない。

これだけ新規のお客様が来てくれるだろうと見込んでいても、想定が大きく外れ、一人も来てくれない。こんな事もあるかもしれない。

思った通りにいかなかった時のために、赤字が続いたとしても、耐えるだけの資金を残しておかなくてはいけない。これが創業時における「運転資金」の役割です。

内装や、機材にこだわった結果、自己資金と借りたお金を使い果たし、ほぼ0でオープン。もはやギャンブルですのでこのミスジャッジだけはしてはいけません。内装費は必要最低限に抑え、軌道に乗ってから付け足してく方法を検討してみて下さい。

独立を決断する個人売上の金額と必要な自己資金の目安はいくら?

実際独立を目指す上でどのくらいの売り上げを持っていればいいのか。自己資金はいくら準備すればいのか。現実的なお話もしていきましょう

いくらあればいい?独立の決断目安。

どのくらい売り上げを持っていればいいのか。このラインに明確な答えはありません。一人サロンを経営していくなら、固定費にもよりますが、70〜80万あれば十分生きてはいけます。自宅の下に開業すれば50万以下でも必要最低限の収入は確保できるかもしれません。ただこの程度の売り上げであれば、リスクを冒して独立するメリットはあるのか。雇用の形態でなくてのフリーランスで席を借りて働く方がよいのでは?と疑問になるラインです。

ただ、独立前の売上は良い意味でも悪い意味でも当てにならない。というのも現実です。

独立前の売上はお店の看板やスタッフさんの力の影響も少なからずあり、全て顧客様が自分のお店に来てくださるかどうかは分からない。逆に、リスクを負う事で火がつき、開業前は全然売れてなかったのに、自分のお店を持ってからものすごい結果を出す方もいらっしゃいます。

さらに、経営のノウハウやスキルは実際自分で経験してみたほうが遥かに早く身につきます。売り上げがいくらであったとしても、開業資金が貯まりやろうと思ったその瞬間が独立のタイミングと考えてもいいのではないでしょうか?

独立に必要な自己資金は?

ではいくらの自己資金があれば独立できるのか?もし一人サロンを開業するなら200万から300万が目安になります。平均的には1000万〜1300万くらいの資金が必要になり借入予定の3分の1

程度が目安です。必要以上に貯めて、時間がかかるのも勿体無いですが、創業時は借入に失敗すると大きな痛手を負う可能性があるので、自己資金の準備だけは余裕を持ってしっかりとやっていきたい所です。

ホットペッパーの掲載は必要か?

よくご相談されるのがホットペッパーの導入は必要かどうか?少なくとも最初の段階では低めのプランや無料のものでも使用しておく事がおすすめです。

今までご指名してくださっていたお客様がどれだけ来てくれるか分からない状況で新規の集客をするツールを持っておく事は重要ですし、集客の面だけでなく、予約管理やサイトとしての役割やレジ締め業務等にも使えるので費用対効果は悪くありません。

まとめ

一人美容室の経営はスタッフを雇用する形に比べ、成功しやすく失敗要因の少ないビジネスモデルであり、美容師さんの自己実現に関しては一番良い手段である事は間違いありません。しかしながら、サロンワークに立てなくなった時のリスクやスタッフさんがいてくれるからこそ感じれる幸せ等があるのも事実、自分は何をリスクと考えどんな事を大切にしたいのか。人生軸で長期の目線を持ちながらの決断が必要です。今後開業をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

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